蒼空と雲ときみと

ワールド・ネバーランド~ククリア王国物語~ / 徒然なるままにゲーム / 創作 / ほそやさん

 
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王太子の僕とマイペースな彼女

セーブデータの移行や整理に失敗しリデル・ジブリールのデータを紛失してしまったため、新規に入国しなおしました。

ミア・ツキシノ。
なかのひとはツキシノ姓で王家乗っ取りを考えております。

そして入国早々、国民台帳をチェックし、いむっぽい王太子を発見したのです。
ミア・ツキシノ 001

本文は追記のなかに。

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彼女を初めて見かけたのは、年が明けたばかりでまだ国中にお祭り気分の余韻が残っていた頃。
黒髪に赤縁メガネのその横顔は、厳しく眉根を寄せるさまはどこかひとを寄せ付けない雰囲気を持っていた。

そんな第一印象だったし、はじめの頃は変な子としか思ってなかった。

みんなが畑仕事へ向かうのをよそに、親衛隊の訓練所にこもって体を鍛えていたり、
ある日は一心不乱にキノコや花を摘んでは「出てこない…」とか呟いていたし、
別のある日は南通りで一日中釣りをしていたようだし、
この前は妹を迎えに学校へ行ったらいきなり茂みから飛び出してきて驚いた。
虫を採取していたようだけど、採った虫を気持ち悪そうに見ていたのは覚えている。

よくミズの実をスカートいっぱいに採ってはぽろぽろこぼして歩いていたし、
そこで見つけたという新種の実に名前を付けた、と嬉しそうに笑っていた。

闘士候補選抜戦に出た彼女はとても強かった。
でもトーナメントの開催期間中もずっと訓練に励んでいたのを知っている。
どうしてそこまで頑張るのかと聞いたら、大事なものを守れるようになりたいからとはにかんだ。

こんな平和な国で何から守るつもりなのだろう。
そしてそれは彼女にとってどれだけ大事なものなのだろう。

とても人懐こくて誰にでも愛想の良い彼女だけど、だからこその欠点があった。

誘われたら断れない。
と、いうよりそもそも『断る』ということを知らないようだった。

気が付けば彼女のことをガールフレンドと思う男が増えてきて、
デートの約束をとりつけるのすら困難になっていた。
他の男と約束をしてしまう前に、朝いちばんに、会いに行かなくてはならない。

気が付けば僕はそれに内心焦るようになっていた。

彼女がいつか他のひとのところへ行ってしまうのではないかと、
そもそも僕とのことも誘われたから断れないだけなのではないかと、
僕じゃない誰かとデートする彼女をみるたびに不安になった。

でも、彼女は断れないだけなんだって知っている。

なんて。
惚れた弱みってこういうことを言うんだと思う。

終わりの見えないやきもきにちょっと疲れてきた星祭の前日、
珍しく彼女のほうからデートに誘ってきた。

二つ返事でOKしたけど、実はちょっと怖かった。
きっと何か大事なはなしがあるんだろうなとは、さすがの僕でもわかったけれど。

待ち合わせの約束をしたときに見せた、彼女の困ったような笑顔が頭から離れなかった。
もしかして「好きだけど別れたい」「優しすぎてつまらない」「王太子の相手に私はふさわしくない」とか言われるのではないか。
彼女のほうから誘ってきたその意図を、考えれば考えるほど悪い方に想像は膨らみ、結局その夜は寝られなかった。

星祭の日、彼女に連れてこられたのは誓いの丘。
ロマンチックな場所ではあるけど、決意を表明する場所には最適かもしれない。ひとけもないし。

――数時間後にはここでソルのともしびと一緒にこの気持ちを飛ばしてしまおう。
ぎこちない早歩きでずんずん先を行く彼女の背中を見ながらそんなことを思った。

どんな顔をしていたらいいのかな。
さすがにもう、泣くだとかみっともないことはしない。
また親にからかい半分心配半分であれこれ言われるだけだ。
なんて言い返してやろう。僕は好きで王太子になったわけじゃない、とか?
それこそこどもっぽいか。

こころの全部で聞いたらきっとつらいから、半分で聞こう。
もう心の準備は出来ているけど、辛いものは辛い。

そんなことをつらつら考えていたせいで、
彼女がしぼりだすような声で言ったひとことを僕は盛大に聞き逃していた。

え?と聞き返す僕の間抜けな声は今思い出しても品もデリカシーも無かったと思う。

「私と結婚してください!」

半ば叫ぶように、でも僕の目を見られずに地面に向かって放った彼女の声。
きっちり三拍おいて、僕は思わず彼女のことを抱きしめていた。

変わった子だとは思っていたけど!
まさか王太子にプロポーズしちゃう女の子がいるなんて!

何をどう返事をしたかは覚えていないけど、
そのまま彼女の手を取って教会へ行き、挙式の予定を書いた。

来年の4日。
僕が好きになった女性を、国のみんなも好きになってくれるだろうか。

そう思って自分の名前を書く彼女の横顔を見たら嬉しくて愛おしくて、また抱きしめた。
名前が変になっちゃった!と怒ってみせる彼女も、にこにこしていた。

「泣いてるの?」

腕の中で僕を見上げる彼女が不安げに言う。

うん。もう、泣くのを我慢しなくていいんだと思ったら、泣けてきた。
思いっきり女々しいことを言ってしまった僕に、彼女はなにも言わずぎゅっと抱きしめ返してきた。

僕を選んでよかったって言ってもらえるように、
あのとき普通のひとを選んでおけばよかったなんて言わせないように、いっぱい幸せにするよ。

ククリアに来てくれて、ありがとう。
――そして、これからもよろしくね。

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  • Author : 月篠ミア
     座右の銘は「明日できることは明日やる」
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